OMM オドゥンパザル近代美術館
2019年9月8日に開館したエスキシェヒルのオドゥンパザル近代美術館。
このオドゥンパザル近代美術館は、世界的に有名な日本を代表する建築家の隈研吾氏と隈研吾建築都市設計事務所(の副社長である池田由紀氏)が設計したということで、日本でも「美術手帳」で紹介されるほど話題になりました。
イスタンブールとアンカラの途中(アンカラより)にあるエスキシェヒルという町は、学生も多く市が力を入れていることもあり文化レベルが高く、都市計画のなされた住みやすい町です。
特に、オドゥンパザル近代美術館が建てられたオドゥンパザル地区は、エスキシェヒルの中でもトルコ人に人気の観光地です。
オドゥンパザルにはオスマン朝の家屋が並び、昔ながらの雰囲気を楽しめる場所になっていますが、実は建物自体の歴史は浅く、多くはトルコの独立戦争後に建てられた建物が多いです。
懐かしいようで住みやすく、近代的なようで温かい、そんなエスキシェヒルとオドゥンパザルの独特の土地柄の中にオープンしたオドゥンパザル近代美術館の魅力をご紹介します。
オドゥンパザル近代美術館の建物
オドゥンパザル近代美術館は、3階建てのプライベートミュージアム(私設美術館)です。
トルコの建設業大手ポリメクスホールディングスの代表取締役であり、同時にアートコレクターであるエロル・タバンジャ氏(Erol Tabanca)が総工費1500万ドルを費やし設立。
エロール氏が、20年かけて集めた約1100点の近現代アートコレクションを展示する目的で建てられました。
彼のコレクションは、1950年代から現代までの近現代アートが中心となるため、名前も近代美術館(Modern Museum)となっています。
チケットは外のブースで購入。
入り口ではまずセキュリティチェックがあります。
▲階段を降りたところに荷物を預かってくれるスペースがあります。
館内は各階、基本オープンフロアなので見学順序に迷うこともありません。
建物の中央近くに位置する部分には、1階天井から3階までのアトリウムがあります。
このアトリウムが、建築のコンセプトを主張しつつも、展示会場としてのアクセントにもなって見事に調和しています。
更にこのオドゥンパザル近代美術館には3階部分までの高さをもつ大型作品展示スペースがあります。
▲オープニング記念として大型作品展示スペースには、四代田辺竹雲斎氏のインスタレーションが展示されています。
この大型作品展示スペースは2階からも見下ろせることができます。
3階からも見下ろせることができます。
かなり素晴らしい展示スペースですが、アーティストやキュレーターにはなかなかレベルの高い展示スペースではないでしょうか。
ただの大型作品ではなく横からも上からも見られることを意識した作品選びが必要になります。
その点、四代田辺竹雲斎氏の作品は素晴らしいです!
メディアアートのコレクションも多いようで、メディアアート鑑賞に最適な展示スペースもありました。
自然な形で力を抜いて作品を鑑賞できるスペースに仕上がっていて、これも流石です!
オドゥンパザル近代美術館のオープニング展The Unionでは1100のコレクションの中から90点が展示されているとのことですが、かなり見応えのある作品が多かったです。
王道のコレクションから、トルコならではのコレクションまでありました。
いくつかご紹介します。
▲トルコ人作家Erdal Inci(1983)作。写真測量技法を用いてるそうです。
▲Guido Casaretto(1981)作。像を作ってその上にプリントと手書きで描写を加えリアル感を出した作品。
▲トルコ人作家Ayça Telgeren(1975)作。 切り絵風で見てて飽きません。
▲トルコ人作家Sinan Demirtaş(1966)作。トルコ人で人物画の写実というのが新鮮。
【住所】Şarkiye Mah. Atatürk Bul. No: 37, Odunpazarı Eskişehir, Türkiye
【時間】10-18時(水曜は20時閉館/日曜は11時開館/月曜定休)
【入館料】20TL/15TL(13歳以上の学生と教員、65歳以上)*12歳まで無料
【公式サイト】https://www.omm.art/en/
【アクセス】エスキシェヒル駅から歩くと35分。EsTram(トラム)でAtatürk Lisesi駅下車または、バスでOdunpazarı駅下車。Tasigo Hotelからは徒歩10分。
【その他】バリアフリー美術館。受付に荷物預り所あり。ガイド説明土日は11時からと16時から30TL要予約(6名以上で催行)。50分。
OMMミュージアムショップ
オドゥンパザル近代美術館のミュージアムショップは美術館内の出口部分と、併設されているOMM INNホテルのレストラン横にあります。
中にはトルコらしいグッズも。
美術館内のショップは外からはアクセスできませんが、階段を上ったところにあるOMM INNホテル横のミュージアムショップなら気軽にアクセスできます。
OMM INNホテル
オドゥンパザル近代美術館の隣には、エロール氏の経営する会社が建設したOMM INN ホテルがあります。
全11室というこじんまりした作りですが、OMMとコンセプトを共にしていて、スタイリッシュなホテルです。
正面にミュージアムショップ、左右にレストランやカフェが並びます。
ホテル受付は手前右側。
客室は2階です。
館内でくつろぐのも楽しそう!と思っていたら、やはり小さな子供たちがバタバタ楽しそうに走っていました。
廊下や室内にもエロール氏のコレクションが並びます。
日本の作家さんの版画でした。
あるトルコの雑誌で、「OMM INNホテルは上級者向け…」と書いてあったので何が上級者向けなのかドキドキしましたが…
普通に快適なホテルでした。
ちょっと小さな子供がいると落ち着かないかもしれませんが。
後から知りましたが、オドゥンパザル近代美術館から徒歩15分ほどの丘の上にあるスパリゾートホテルTasigo Hotelというのも、このOMM INNと同じ経営なため、客室デザインのコンセプトが似ています。
スイートルームにはダイニングテーブルがありました。
壁一面のソファーがある部屋もあるようです。
ホテルは全11室とこじんまりしたホテルなので、朝食はビュッフェ形式ではなくセットメニューです。
定番トルコの朝食ですが、器や素材にこだわりを感じました。
十二分に楽しめる朝食です。
OMM INNホテルは、オドゥンパザル近代美術館のためにエスキシェヒルに訪れるという人にはイチオシのホテル!
((特にスイートルームに泊まる必要はありませんでした)
OMMと同じ空間にどっぷり浸ることができます。
なにより、昼間とは違った夜の表情が見えるのがGood!
週末だと日中はかなり人が多いですが、早朝や夜は人気もなく写真も撮りやすいです。
オドゥンパザル近代美術館の楽しみ方まとめ
オドゥンパザル近代美術館のあるエスキシェヒルは、地方の町なのでトルコ旅行初心者の方は躊躇されるかもしれません。
しかしエスキシェヒルは、トルコのある調査では【トルコ国内で安全な街1位!】、【世界でも12番目に安全な街(このリスト1位がアブダビだったので基準が何かは謎ですが。。)】に選ばれており、実際に旅行してみた感じでもとても過ごしやすい街です。
エスキシェヒルはアンカラより、いやもしかするとイスタンブールよりも過ごしやすい町かもしれません。
エスキシェヒルの詳細はこちらをどうぞ
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トルコ人にも観光地として大人気の町エスキシェヒル。
日本人建築家隈研吾氏の設計したOMMオドゥンパザル近代美術館もオープンしたので、たくさんの方に訪れて知ってほしい町です!