イスタンブールからブルガリア・ソフィアへは、バスや飛行機のほかに「夜行列車」での旅も可能。ヨーロッパらしい雰囲気を味わいながら、移動時間を有効活用できるこのルートは、特に週末旅行やコスパ重視の旅におすすめです。
夜行列車で行くソフィア:基本情報

運行路線と概要
- 出発駅:イスタンブール・Halkalı(ハルカル)駅
- 到着駅:ソフィア中央駅(Sofia Central Station)
- 運行頻度:1日1本(毎日運行)
- 所要時間:約560KM、12-14時間
- 車内:寝台車あり(4人用・2人用・1人用)
- 到着時刻:早朝(観光開始にぴったり)
寝台料金の目安(2024年時点)
- 4人用寝台:36.4ユーロ ※1人当たりの金額
- 2人用寝台:41.4ユーロ
- 1人用寝台:74.6ユーロ
チケット購入方法
- オンライン予約:不可(※2025年現在も要確認)
- 購入場所:TCDD(トルコ国鉄)各駅の窓口 (購入時、要パスポート情報)
- Sirkeci駅
- Halkalı駅
- Söğütlüçeşme駅(アジア側)など
- 販売開始時期:出発の60日前から
- 現金またはクレジットカードでの支払いOK。


窓口の営業時間は表示と異なることがあるので要注意。
日付と出発地目的地、希望キャビンの種類、人数を紙に書いて渡すと確実です。
連休前とかは早めにチケットが売り切れてしまので早めに購入しましょう!
イスタンブール~ソフィア間の列車運行時刻
基本、毎日運航
ソフィア(ブルガリア)行き
21:40ハルカル発 8:38ソフィア着
ソフィア(ブルガリア)発
21:30ソフィア発 7:40ハルカル着



正確な時間は、チケット購入時やチケットで確認するようにしましょう! ハルカル20時発、ソフィア9:48着だったこともあり、旅の予定を立てる時に注意が必要です。
夜行列車 停車駅一覧(イスタンブール → ソフィア)
Halkalı(ハルカル)
→ Çerkezköy(チェルケズコイ)
→ Alpullu(アルプル)
→ Edirne(エディルネ)
→ Kapıkule(カプクレ)
―――★【国境越え:トルコ出国/ブルガリア入国】★―――
→ Svilengrad(スヴィレングラド)
→ Dimitrovgrad(ディミトロヴグラド)
→ Plovdiv(プロヴディフ)
→ Pazardzhik(パザルジク)
→ Septemvri(セプテンヴリ)
→ Kostenec(コステネツ)
→ Iskar(イスカル)
→ Iskarso schose(イスカルショセ)
→ Sofia(ソフィア)


出発前の流れ:ハルカル駅から夜行列車に乗車




イスタンブール市内からMarmaray(マルマライ)に乗って「ハルカル(Halkalı)駅」へ到着。ホームを出たら、案内表示に従って「高速列車(YHT)」の改札口のほうへ進みます。
入り口では空港のようなセキュリティチェックがあり、荷物検査を通過。その先にある待合エリアが、ソフィア行きの国際列車の乗客が待つスペースです。ここには便利なコインロッカーも設置されていて、出発前に荷物を整理したい人にもありがたい設備。
出発の約20分前になると、ホームへ向かう改札がオープン。駅係員にチケット(QRコード)とパスポートを提示して改札を通過します。
自分の車両や号車番号がわかりにくい場合は、近くの車掌さんに気軽に尋ねましょう。親切に案内してくれます。
指定された席に座って少し落ち着いた頃、車掌さんがチケットとパスポートを再確認にまわってきます。すべてのチェックが終わると、列車は静かにソフィアに向けて出発。









ハルカル駅周辺には何もないので、食事や買い物はハルカル駅に移動する前に済ました方がよさそうです。
4人用ワゴンと、2等寝台列車2人用の室内
2等寝台列車4人用ワゴン室内






2等寝台列車2人用ワゴン室内






夜行列車の“国境越え”体験レポート:深夜のパスポートコントロール




深夜0時頃、車内に突然響く「パスポートコントロール!」の声。車掌さんが各車両をまわって、寝ている乗客をひとりひとり起こしてまわります。まだ国境の駅「カプクレ(Kapıkule)」に到着する30分以上前のタイミングで、余裕をもって準備させてくれるようです。
一度目の呼びかけは無視してもう少し寝ていても大丈夫そうですが、心配な方は身支度を始めても良いかもしれません。
列車が国境駅に到着したら、パスポートを持って全員が下車。ホームの向かい側にあるパスポートコントロールの建物に移動して出国審査を受けます。チェックが終わったら、再び列車に戻ります。
その後、車掌がまわってきて各乗客のパスポートを確認。無事にトルコ出国手続きが終わっていることを確認します。
…と思ったら、ここで終わりではありません。少し走った先、今度はブルガリア側の国境で再び停車。
今度は列車に残ったままでOK。車掌がパスポートを回収しに来るので、そのまま渡して待機します。スタンプ付きで返却されるまで、約1時間。眠気と格闘しながらひたすら待ちます。
こうしてトルコ出国〜ブルガリア入国まで、合計約2時間。うとうとと寝ることはできるものの、ちょうど一番眠い時間帯にチェックがあるので、やや疲れます。それでも“陸路で国境を越える”という貴重な体験は、夜行列車旅ならではの醍醐味です。



トルコ出国からブルガリア入国まで、約2時間かかりました。
夜行列車の魅力とおすすめポイント
- 時間を有効に使える
-
夜間移動で宿代を節約しつつ、朝から観光をスタート可能。週末の短期旅行にもぴったり。
- 陸路での国境越え体験
-
トルコとブルガリアの国境では、パスポート・荷物検査あり。少し特別な「ヨーロッパの国境越え」を体験できます。
注意点とアドバイス
- パスポート(やトルコ滞在で持っている場合はトルコのビザ)の準備は万全に
- 食事サービスはないため、軽食や飲み物を事前に用意しておくと車内でも楽しめます
まとめ:異国情緒あふれる鉄道の旅へ
夜行列車でのソフィア行きは、時間とコストを抑えつつ、旅の雰囲気をたっぷり味わえる移動手段です。イスタンブールからヨーロッパを目指す旅の第一歩として、ぜひ一度体験してみてください。