トルコのエーゲ海に浮かぶ小さな島、ボズジャアダ(Bozcaada)。
美しい海と伝統的な街並み、そしてワインの名産地として、イスタンブールの人々にも愛されている隠れた人気観光地です。この記事では、ボズジャアダへの行き方から、ワイナリー巡り、観光スポット、お土産情報まで、島の魅力をぎゅっと詰め込んでご紹介します。
アクセス:イスタンブールからボズジャアダへ
ボズジャアダに行くには、最終的にチャナッカレ県のGeyikli港からフェリーに乗る必要があります。以下の2ステップでアクセス可能です。
ステップ①:イスタンブールからチャナッカレまたはGeyikliへ
- イスタンブールからGeyikliバスターミナルへは直行バスがありますが、本数が少なめ。
- そのため、チャナッカレまでバスで移動し(約4〜5時間)、そこからGeyikli行きのローカルバスに乗り換えるルートが一般的です。
- チャナッカレ〜Geyikli間は約1時間。Geyikliバスターミナルから港(Feribot İskelesi)までは約4km、到着バスにあわせてミニバスが運行しています。
Geyikli-Çanakkale間のバスの時刻はこちらから確認できます。 →Otobüs saatleriをクリック
ステップ②:Geyikli港からフェリーでボズジャアダへ



- フェリー所要時間:約30分/片道約100TL(2025年5月時点)
- 夏季は1日4〜5便。最新の時刻表はフェリーの時刻表はこちらから —「Canakkale Islands Line」をチェック。
フェリーの時間に合わせて計画を立てるのがお勧めです。
ボズジャアダ内の移動
ボズジャアダは多くの人が車でフェリーに乗ってきます。
島内にはミニバスとタクシーがありますが、タクシーは台数が限られるため、夕陽鑑賞などのピーク時はタクシーが何往復もすることも珍しくありません。
夕陽鑑賞に行きたい場合はタクシーを事前予約するのがおススメ。タクシーはピーク時は何往復かするため、帰りの時間も合わせて予約しておくのがMust。



島内ではレンタルサイクルやレンタルスクーターがあると聞きましたが、それらしきものを見つけることはできませんでした。夏のハイシーズンだけのサービスなのか、今では廃止されたサービスなのかは不明なままです。。
ボズジャアダのワイン
ボズジャアダは、トルコでも数少ない“ワインの島”。小さな島ながら、本格的なワインを生み出すワイナリーが点在しており、ワイン好きにはたまらないスポットです。
島を代表する地元ブドウ品種は以下のとおり:
- クントラ(Kuntra):別名カラサクズ(Karasakız)。フルーティーなミディアムボディ赤ワインに。
- カララフナ(Karalahna):クントラとブレンドされることが多く、深みある赤に。
- バシラキ(Vasilaki):島特有の白ブドウ品種で、華やかな香りと酸味のある白ブドウ。
- チャヴシュ(Çavuş):主に食用として栽培される白ブドウですが、ロゼなどにも使用。
どのワイナリーでもテイスティングが可能で、軽食と一緒にゆったりワインを楽しむのが島流です。
ボズジャアダのワイナリー6選:1. Talay(タライ)












Talayはボズジャアダの中心地にありアクセスが良いです。500-650TL
店舗の外の席ではティスティングセットやチーズプレート、グラスワインなどが楽しめます。
メニュー一例:5種類のティスティングセット500TL/グラスワイン1杯200-300TL/チーズプレート500-650TL
ボズジャアダのワイナリー6選:2. Çamlıbağ(チャムルバー)=Yunatçılar



島で最も歴史あるワイナリー。Yunatçılar 家によって運営されているワイナリーブランドで、バシラキ種を使った白ワインや、クントラとカベルネ・ソーヴィニヨンのブレンドが好評。
ワインティスティングはすぐ裏手にある、Tenedion Winehouseで。
Tenedion Winehouse…Çamlıbağのワインハウス






- Tenedion Winehouse:営業時間9時~22時、Çamlıbağの全ラインナップを試飲・購入することが可能
- メニュー一例:ティスティングセット9種類375TL/チーズプレート250TL/Sunsetプレート500TL
ボズジャアダのワイナリー6選:3. Ataol(アタオル)






テラスでの試飲が楽しめる。白・赤・ロゼがバランスよく展開されており、観光客にも評判。地元産のチーズなどと一緒に提供されるセットが人気。
ボズジャアダのワイナリー6選:4. Amadeus(アマデウス)






中心街から徒歩25分。バシラキ種を使用した軽やかな白ワインやロゼが人気。Mozart Bar併設で、チーズとともに試飲を楽しめる。屋外で飲むワインは島ならではの雰囲気を楽しめるので、多少離れていても行く価値あり!
- 営業時間:10:00〜22:00
ボズジャアダのワイナリー6選:5. Gülerada(ギュレラダ)






比較的新しいワイナリーで、現代的なアプローチでワインを製造。地元品種と国際品種を組み合わせたユニークなワインが特徴。
- 営業時間:9:00〜22:00/中心街から約2.5km *徒歩30分
ボズジャアダのワイナリー6選:6. Corvus(コルヴス)






建築家レシト・ソレイ氏が手がけたトルコ国内でも高い評価を受けるワイナリー。地元品種のクントラ(Kuntra)やカララフナ(Karalahna)を使用した赤ワインや、バシラキ(Vasilaki)を使った白ワインが人気。
コルヴスは市内に販売店があるのみ。ワイナリーは開放していないとのこと(2025年5月時点)。
- 営業時間:9:00〜18:00(Corvus Vineyards)

コルヴスはトルコを代表するワインブランドの一つで、他のワイナリーと一線を画しているためか、島内では特別に何かを楽しめるという感じではありません。ワインティスティングもおこなっておらず、販売はしているけど島内で購入したほうが割高という噂も。コルヴスのラインアップをチェックすることができて楽しいけど、わざわざ立ち寄る必要はそれほどないのかもしれません。
モデルルート:半日で巡るワイナリー散策
徒歩で回れる中心部(約2〜3時間)
- Ataol Şarapları(徒歩5〜10分)
- Çamlıbağ(Yunatçılar)(徒歩3分)
- Talay Şarapçılık(徒歩3分)
- Krasi(徒歩3分)—島内のワインが揃うお店
時間があれば+α(徒歩やタクシー、ミニバスで)
- Amadeus(中心地から徒歩20分程)
- Gülerada(Amadeusからさらに約20分)



どちらもミニバスを利用して行けますが、時間が分かりにくいので運が良ければ乗れる…という感じでしょうか。時間に余裕があれば徒歩でも可能です。
見どころ&アクティビティ
Bozcaada城(ボズジャアダ城)












15世紀に再建された島のシンボル的存在。
エーゲ海を一望する城壁からの景色は圧巻です。
城壁内を自由に探索できるので歩きやすい服装で。石段は柵などないので気を付けて。
Ayazmaビーチ






島内で最も人気のあるビーチ。黄金色の砂浜とターコイズブルーの海が広がり、夏季にはパラソルやサンベッドのレンタルも可能で、家族連れにもおすすめのスポットです。
島の入り口(フェリー乗り場近く)からミニバスが運行しているので、アクセスしやすい!
夕陽鑑賞ツアー(Polente灯台又は、Wind Rose-sunset viewing point)












ボズジャアダの代名詞といえば、夕暮れの風景。島の最西端にあるポレンテ灯台と風車群は、エーゲ海に沈む夕日を見るのに最適なスポットです。
- 夏季(6月後半頃~)は毎日、Bozcaada Minibüs Durağı(ミニバス乗り場)から夕陽鑑賞ツアーが18:30頃に出発。所要約2時間。
- 観光ルートにはワイナリーでの試飲やジャムの試食、Akvaryum湾やBeylik湾での写真撮影、Ayazmaでの休憩を挟み、最後にポレンテ灯台で夕日を鑑賞。
- 帰りはÇayır方面を経由して中心部へ戻ります。
- 料金:約50TL〜(2023年情報)
また、日中は9:30〜20:00の間、30分おきにAyazmaやSulubahçe方面へのミニバスも運行しています。深夜便も数本あり、一部ホテル行きの便もあります。



5月ではミニバスツアーは見つからず、タクシー乗り場は夕陽鑑賞に行きたい人で列ができていました。早めにタクシーを予約しておいた方がよさそうです。
Ayazma修道院(Ayazma Monastery)
島の南西部、緑に囲まれた静かな場所に佇む修道院跡で、かつてはギリシャ正教の巡礼地として知られていました。現在はレストランとカフェがオープンしていて、高台からの景色とギリシャメゼ、ワインなどが楽しめます。また、修道院跡の一角にある「願いの洞窟」は今も多くの人が訪れる神秘的なスポット。(洞窟へは自由に立ち寄ることが可能ですが、足元が滑りやすいので要注意。)



ボズジャアダではほかにも、ダイビングスポットとして人気のAkvaryum湾(アクアリウム湾)やÇayırビーチ、Bozcaada博物館、島の西橋にある夕日の名所でもある灯台と風車の並ぶポレンテ灯台(Polente Feneri)などの見どころがあります。
タクシーで島めぐり
島内にはタクシーも少数ながらあり、ドライバーと交渉して島一周ツアーを組むことも可能です。
- 所要:約1.5時間
- 料金目安:600TL〜(2023年時点)
- おすすめ:湾巡り+ワイナリー立ち寄り+サンセット鑑賞の組み合わせ
サイクリング&ウォーキング
島は自転車でも徒歩でも気持ちよく周れるサイズ。特に春や秋は過ごしやすく、のどかな畑やブドウ畑の中を走るのは爽快です。
- 中心街にレンタサイクルショップあり
- ブドウ畑通り(Sulubahçe)など、1km程度の遊歩道もおすすめ
- 夏は日差しが強いため、早朝または夕方の利用が◎



2回、島を訪問しましたがレンタルサイクルショップやサイクリングをしている人を見かけませんでした。最近はないのかもしれません。
お土産&グルメ編:島らしい逸品を持ち帰ろう






ボズジャアダでは、ワイン以外にも地元ならではの特産品やセンスの良い雑貨が充実しています。島のマーケットや工房をのぞけば、旅の思い出になる品がきっと見つかります。


















- 地元ワイン
-
軽やかな白「Vasilaki」やフルボディ赤「Kuntra」、ロゼなど、島産ブドウの個性が光るワインは旅の定番土産にぴったり。CorvusやÇamlıbağなど、ブランドごとに味わいの違いも楽しめます。
- オリーブオイル&石けん
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島や周辺で採れたオリーブを使った高品質なコールドプレスオイルや、オリーブ石けん、天然コスメも人気。瓶やパッケージのデザインも素敵で、ギフトにも◎。他にはワインレッドのワインせっけんなども。
おすすめのレストラン&お土産ショップ
KRASI






夕陽鑑賞用のSunsetバスケットが大人気のお店。持ち帰りチーズセットやワイングラスの販売もしており、島内のワイナリーのワインも充実
Olevio Bozcaada






オリーブオイルやオーガニック製品、Sunsetプレートを販売。Talayのワインも扱っている。
Nevreste Bozcaada












ギリシャ風のメゼや料理が最高においしい有名店。ボズジャアダオリジナルメゼもあり。
人気店なので、週末の夜などは要予約。
In Vino






イタリアンレストラン。美味しい海鮮イタリアンが楽しめる。
Ayazma Monastery






修道院の庭のカフェ・レストランでは、修道院の静かな雰囲気の中で食事やワインを楽しむことができる。
まとめ:ボズジャアダは、五感で味わう「島時間」
美しい海と歴史ある街並み、豊かな土壌が育んだワイン、風にそよぐブドウ畑。
ボズジャアダは、にぎやかな観光地とは違う、静かで豊かな時間を過ごしたい人にぴったりのエーゲ海の小さな宝石のような島です。
日帰りでも楽しめますが、できれば1泊して、夕暮れや朝の静けさまでじっくり味わうのがおすすめ。
自然、文化、味覚、そして時間そのものをゆっくり楽しむ——そんな旅がここでは叶います。