中東に分類されたり、ヨーロッパに分類されたりするトルコ。
ヨーロッパならチップは必須だけど、ではトルコはどうでしょう?
トルコのレストランでチップは必要なのかな?
ホテルで親切に対応してもらったけど、チップ渡してよいのかな?
タクシーでチップを要求されたけど、これってだまされてる?
そんな疑問をすっきりさせましょう!
そもそもチップとは「心づけ」なので、正解のない習慣だと思います。
必須だと言われているヨーロッパでも最悪チップを置かなくても怒られることはありません。
それを言及するのはいかがなものかとは思いますが、チップの必要有無はトルコを訪れる方々からよく質問されるので、トルコ15年の私なりの考え方をご紹介します。
トルコでチップが必要な場面
ズバリ、トルコではチップは義務ではないものの習慣として存在します。
最近はコロナ流行時の影響もあり、チップ文化もちょっと変わってきた部分もあります。
まずはさておき、実際のチップ額の目安をご紹介します。
簡易サービスの場所:端数切り上げ
セルフサービス・ファーストフード:特には不要
ホテル・ポーター:渡さなくてOKだけど、渡してももちろんOK
ベッドメイキング:基本不要、だけど渡してももちろんOK
タクシー:端数切り上げ。長距離や渋滞、荷物があった場合は10%を目安に渡した方がベター。
ハマム:あかすりやマッサージをしてくれた人に20TL~
観光*ガイド・ドライバー:団体ツアーの場合は基本不要。プライベートツアーでは、ガイド25USD、ドライバー20USDが目安
・空港のポーター・トイレ:料金が書いてあるのでその額を渡す。トイレで料金が書いてなくて要求されたら目安は5TL。
レストラン・カフェでのチップ
ファーストフード・セルフサービス
ファーストフード店やセルフサービスの店では、チップは基本的に不要です。
お会計が前払いの場合は、追加でチップを渡すタイミングもないですが、
目安として、お会計をレジでおこなうタイプの場所であれば、チップは不要かもしくは気持ち程度、
レジ横にチップボックスがあれば、お釣りからいくらか入れるかいれないかな感じでしょうか。
席に合計金額を持ってきてもらい、座席で支払いをおこなう場合は端数を切り上げるなどして
チップを払うことが多いです。

3人で食事をして合計335TLだった場合は、チップ15TLを含めて350TL置いてくる・・・とかですね。
レストラン
キチンとしたレストランや飲み屋では合計額の10%を目安にチップを払います。
10%は目安なので、長居したのにあまり注文しなかったなぁというときは多めに置いたり、サービスが悪かったら端数程度を置いたり。
キチンとしたレストランや飲み屋では請求額にあらかじめサービス料が含まれていることがあります。内訳をチェックしてサービス料が含まれている場合は、それがチップに相当しますので、追加のチップは不要です。
▲こんな感じでお会計時にすでにサービス代金(チップ)が含まれていることがあります。
下の段のHIZMET(トルコ語でサービスの意味)も同じ内容を示しています。
▲こちらもサービス料金(チップ)が含まれている例です。
サービス料はどこも大体10%です。
▲こちらはサービス料金(チップ)が含まれていない例です。
チップを渡すタイミング
レストランやカフェでは一般的にはチップを手渡ししません。
そのため通常はお会計時の後に、伝票が入っていたホルダーの中に入れ置きます。
大体、ホルダーをわざわざ座席に置いていく場合は、チップを期待しているんだろうなぁという感じがします。
こんな感じで中にチップを残しておきます(実際はフタを閉じますが)。
この時は45TLでスープを飲んだので、お釣りでもらった5TLをチップとして残しました。
注意:この写真は2019年時のものなので、インフレの進んだ2023年では金額は大きく異なっています。
ホルダーを持って行ってしまわれたけど、是非チップを渡したい…というときはテーブルの上の分かりやすいところに置いておきます。

ヨーロッパのあるサイトでは、トルコ旅行時のレストランのチップ目安として、普通のレストランで5%、きちんとしたところでは10-15%と記載されていました。
相当額がないときは小銭全部をチップで渡すことも。。
(小銭といっても25、50クルシュとかをたくさん置くのは失礼になると思います。そういう時は申し訳ない気持ちでそそくさと立ち去ります(苦笑)。
ここは金額の割にはファーストフードに近い店だったので5%程の額をおいておきました。
チップを渡したいのに妥当な額がない場合は、両替してもらうこともできます。
会計後の両替は、だいたいチップのためだと想像がつくので店員さんもとても快く対応してくれます(笑)。

トルコには中東のお金持ちもたくさんくるので、高級ホテルなどでは100ユーロとかをまるで1ドル札を渡すかのようにチップとして渡す富豪も珍しくないのだとか。
日本でも有名になったイスタンブールの超高級ステーキハウスNUSRETなどでも同様で、1000TLとかチップを置いていく人も珍しくないそうです。
カフェ
イスタンブールでは最近おしゃれなカフェ店が急増しています。
そんなカフェにはお会計場にチップボックスが置いてあります。コーヒーを飲んだだけでチップは不要かもしれませんが、気が向いたら小銭を入れる…程度で大丈夫です。
しっかりしたカフェ
席で会計をするようなちょっとしっかりしたカフェの場合は、サービスに応じて端数~10%程度のチップを置くのがベター。
ホテル・ポーター
ホテルのポーターが部屋に荷物を運ぶのはサービスの一環なのでチップは渡さなくても大丈夫です。
重い荷物やたくさん荷物がある場合は、1ドル(20TLとか)を渡してもベターですが、トルコ人はチップなしでも基本とても親切に対応してくれます。
事前にすぐ出せるように用意しておいて、ポーターが部屋から出るタイミングでありがとう!って言って渡せるとスマートだなぁと思いますが…実際にできたことはありません。
ベッドメイキング
これもホテルのサービスの一環なので、チップを置かなくても大丈夫です。
でもちょっと散らかしちゃったな、ゴミ多くてごめんね…と思ったと少しおいても良いかなと思います。
タクシー
タクシーのチップに関しては、トルコ人でもトルコに住んでいる日本人でも意見が分かれるところです。
良心的なドライバーはチップを期待せず、そうでないドライバーのほうがチップを要求してくるので。。
そのため、ここは完全に任意で良いと思います。
イメージとしては端数繰り上げでしょうか。
近距離なのに嫌な顔せずに乗せてくれた場合や、渋滞にはまってしまった場合、重い荷物の出し入れを手伝ってくれた場合などは、10%を目安に渡してもよいと思います。
空港からのタクシーの場合、スーツケースの出し入れを手伝ってくれたりするので、良いドライバーであれば5%程渡しても良いのではないでしょうか。最低でも20TLとか渡すとお互い気持ちよいです。
余談ですが、ドライバーによっては102TLで110TLを渡したらお釣りをくれないこともあります。
チップを払いたくない場合は、できる限りきっちりと小銭で払うことをお勧めします。

トルコのタクシーは初乗り価格と最低支払価格という設定があります。
今だと初乗りは35TLで、最低支払価格は70TL。
この場合、近距離移動してメーターが55TLだったとしても、最低支払価格の70TLを支払わないといけないので、注意してください。
ハマム
ハマムのあかすりやホテルのスパのマッサージなどを利用した場合は、通常チップは必要です。
ローカルハマムでは払わない人も珍しくないですが、20TLでも置いていくと喜ばれます。

私は逆に安い店では、お得にアカスリをしてもらった分として(スタッフの取り分も少ないと思うので)多めに渡しています。
観光*ガイド・ドライバー・空港のポーター・トイレ
観光ガイドやドライバーへのチップですが、団体ツアーの場合はあまり考えなくてよいでしょう。
団体ツアーでは最低限のチップは添乗員が払うからです。
それでも快いサービスを受けたときや感謝の気持ちを伝えたい時はチップを払っても問題ありません。

日本人の感覚で、どうしても善意をお金に換算して返すのは悪いと思う方も多いかもしれません。しかしそれは気にしなくて良いです。やはりお金をもらったら、それだけ喜んでくれたんだと感じて、相手も喜んでくれます。
ただ、あまりにも少額(小銭や10TLとか)だと、返って渡さない方が良いかもしれません。。10TLでもないよりは良いと言えば良いですが、返って失礼になることもあります。
個人で手配したガイドやドライバー、プライベートツアーの場合は、チップは必要と考えたほうが良いです。
プライベートツアーの場合は、ガイドに1日25USD、ドライバーに1日20USDくらいを目安にして渡します。
*この額は何名で参加していても同じです。一人でのツアーでも家族5人でもです。
(上記は一般的に言われている推奨額です。)
空港のポーター
空港のポーターは有料ですので、通常向こうから金額を言ってきます。(最近は金額が記載されています)
スーツケース1個につき5ユーロとか。
これはチップというより料金ですので、大目に払ってももちろんOKです。
トイレ
街中の公共トイレや、バスターミナルやドライブインなどのトイレは料金を最初から設定して有料な場合が多いです。
大体5TLから高くて今なら15TLくらいでしょうか。
料金を払う場合はチップは不要です。
レストランなどのトイレで、無料だけど係員が居る場合は、5TL程チップを渡します。
しかしトイレにお財布をわざわざ持って行かないことも多いので、その場合はなしでも大丈夫なようです。
たまに「えっ、チップは?」と聞いてくる係員がいて義務なのかチップなのか分からないこともありますが…。
トルコのチップ文化
そもそもチップ文化はヨーロッパから来たもの。
でもトルコにはチップに似た文化が根付いていると感じます。
チップ文化とは言わないかもしれません。
トルコはイスラム教で、「施し」の習慣があります。
「施し」とは、経済的に余裕のある人が余裕のない人に援助をする習慣です。
例えば、トルコではバイラム(犠牲祭と砂糖祭)と呼ばれる宗教的なお祭りの際に、近所や身近で金銭的に困っている人や貧しい人にお金の援助をします。
日常でも道端にいる物乞い(ジプシーやシリア難民など)にも、小銭をあげたりします。
(これは相手のためなのではなく、自分の徳を積むためです)
同じような感覚で、例えば重い水のボトルを持ってきてくれた近所の商店の人に数リラ渡したり、自宅に料理を注文して配達してくれた人にいくらか渡すことは日常的に行われていて、人にお金を渡すのに抵抗がないというより、助け合いの精神があるというと良いのでしょうか。
トルコ人に言わせると、「彼らはチップで生活しているようなもの」なのだとか。
なので、何かサービスを受けたら、自然とチップを渡す感覚を持っている人が多い気がします。
(仕事をしている人に『施し』というと語弊がありますが、上手な言葉が見つからないのでそう表現しました。)
もちろん義務ではないので、小銭がなかった時は渡さなかったり、サービス内容や気分によっては渡さなかったりもしますし、人によっても一切渡さないという考えの人もいるようです。
でも私は個人的にこの『助け合い』(良いところで食事をする余裕があるのだから良い接客やサービスをしてくれた人にも還元する的な…)発想は好きです。

トルコのチップ文化まとめ
いろいろご紹介しましたが、結論を言うとトルコには明確なチップの義務は存在しないので、
渡さなくて怒られる訳でも、ルール違反になるわけでもありません。
悩むようであれば上記を参考にして頂き、そうでない場合はご自身の感覚を優先してください。